法律のいろは

離婚と在留資格(その②)

2013年6月4日 更新 

 国際離婚について,前回は外国人配偶者の在留資格の更新に関して,触れました。

 以前から問題となっていた在留資格の更新について,「日本人の配偶者等」として在留資格が更新されなくなる場合として,結婚の実体がなくなっている場合と判断している裁判例を紹介しました。

 

 日本人配偶者との離婚問題を抱える等している外国人には,「日本人の配偶者等」としての在留資格の更新が期待できない場合に,どのような在留資格が考えられるでしょうか?仕事に制限など受けず,日本で安定的に生活するという意味では,「定住者」としての在留資格があります。「定住者」の在留資格は,以前は最大でも3年だったのですが,入管法の改正により5年が最長になりました。

 

 「定住者」となるのは,日系人(2世や3世等),日本人の実子を扶養している方が代表例です。離婚して日本人の実子を扶養するとは,日本人の父の際に少し問題になります。それは,日本人の親から子どもが認知されている必要があるからです。ここで,子どもは日本国籍を持っていなかったとしても問題にはなりません。

 ちなみに,日本人の実子を扶養するというためには,①外国人の親が子どもの親権を持ち②今現在子どもの養育監護していることが必要と行政機関は考えています。

 今まで述べた以外で「定住者」への在留資格の変更を認めないわけでは必ずしもないようですが,ケースバイケースと言ったところです。このほかの在留資格もありますけど,仕事の制限など色々とかかるところです。

 特に,他に変更できる在留資格がないと,日本からの出国準備のための「特定活動」という在留資格が変更されます。この場合,その外国人の方が就くことができる仕事が大きく制限されますので,日本からの出国が余儀なくされてしまう可能性が大きくなります。

 

 離婚と在留資格との関係での問題は,平成21年の入管法の改正によって,在留資格の取消事由の中に,「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の在留資格を持つ方についての定めが置かれたことで,新しいものが付け加わりました。この制度の中身については,次回に詳しく触れさせていただきます。

 

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