結構前になってしまいましたが、どんな場合に相続の際、「争族」になってしまうのか?ということをお話ししました。
今日は、では具体的に親族が「争族」にならないようにするための方法として、どんなものがあるかをお話ししたいと思います。
割と取り組みやすいものとして、まずはご自身の財産・身の周りの「棚卸」をしてみる、ということが挙げられます。
最近は、エンディングノートが流行っていますね。エンディングノートではご自身の財産について、どういったものがあるか書くようになっていますので、そういったものを利用されるのもよいでしょう。
また、現に相続が発生したときに備えて相続関係図(ご自身の家族関係を図にして整理したもの)を作ってみると、潜在的に「争族」となりやすいパターンかどうかも見えてくると思います。
ポイントは、こういったものを作成したときは、必ず定期的に見直しをすること。あまり財産の変動がなければ問題ないと思いますが、できれば何年かに一度は見直しをしたいものです。
相続関係図にしても、何年か経つと意外と変動することもあるので、やはり見直しをすることをお勧めします。また,財産目録(どんな財産がどこにあり・いくらなのかを記載したもの・一覧表ともなります)を作成しておくことも重要です。どんな財産があるのかどうかを整理するとともに,何をだれに残すのか・田舎の田畑など誰も希望しないものをどうすればいいのかなどを考える上では意味を持ってきます。なかなか自分が亡くなった後のことを考えるのは嫌なところですが,こうした入り口から進めてみるのも一つの方法でしょう。
遺言書がないと、法定相続分どおりの遺産分割になりますが、法定相続分と異なった形で相続人に遺産を残したい、と思われる場合には、遺言書を作成しておく必要があります。
特に、農業や商売をやっている関係で、特定の相続人に後を引き継いでもらいたい、といった場合。
あるいは、障がいがあるなどの事情から、後々の生活が困らないようにするため特定の相続人にだけに遺産を残したい。
内縁関係にある人など、相続権のない人に遺産を残したい。
相続人がいないが、お世話になった人に遺産を残したい。
相続人はいるが、特定の団体に寄付をしたい。
こんな場合には、遺言書の作成を検討した方がよいでしょう。遺言書は税金対策が必要な家庭で作るものという意識がはたらきがちですが,実際にトラブルとなるのはそうではない世帯も多いという点は意識をしておいた方がいいのかもしれません。
遺言書を作成した場合に問題となりうること、気を付けた方がよい点については、別のコラムで触れてありますので、そちらをご参照頂ければと思います(→「遺言が無効」シリーズ)
次回は遺言書作成の際に気を付けるべき点などをもう少しお話ししたいと思います。
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