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交通事故にあった事で仕事ができなくなった分の損害賠償はどうなるのでしょうか?(その⑤)

2013年6月5日 更新 

 交通事故にあった事で,仕事ができなくなった場合に減収分などはどうなるのでしょうか?これまで4回こうした損害賠償について触れてきました。

 こうした減収分等は,症状固定の前が休業損害・症状固定の後が逸失利益という損害項目にされます。症状固定とは,これ以上治療しても大きくは状態が改善しない状態のことです。今回は,会社の役員について触れていきます。

 

 休業損害=基礎となる収入額×休業期間

 であるのは,何度も繰り返した通りです。

 会社役員の方については,役員報酬の性質として,会社に生じた利益を分配する要素があるので,休業しても損害があるのか問題になります。一方で,個人事業を会社の形にしたとか,役員自ら従業員と一緒に仕事をしているケースもあり,その報酬が利益の分配といえるかが問題となります。

 

 実際,損害賠償の取り扱いとして,利益配当の性質を持つ役員報酬部分は,交通事故の被害に遭った会社役員の方が休業しようがしなくてももらえるものだから,という理由で損害ではないと考えられています。交通事故の被害者の方が会社役員だった場合には,こうしたところから,役員報酬がどんな性質のものかがシビアに争われるケースが多いように思われます。

 

 会社がいわゆる法人成りで,実質的に役員の個人事業の場合には,利益配当の性質は考えにくいです。なお,こうした会社では,役員が交通事故の被害にあった事で会社に生じた損害が,交通事故の損害賠償で支払われるのかどうかという問題があります。いずれ詳しく触れてみたいと思います。

 上の例はのぞくとして,いわゆる零細企業についてはどうなるでしょうか?非常に難しい問題です。一概には判断できませんが,次の要素を参考に考えていく方法があります。

 ①役員となっている会社の規模

 ②役員となっている会社の営業状態

 ③被害者である役員の地位や職務内容(他の役員や従業員との職務内容の比較)

 ④役員報酬の額

 等が挙げられます。

  ①についてですが,中小企業といえどオーナー社長の場合には,利益配当の性質を持つ部分があるかもしれません。もっとも,自らが率先して働いているオーナー社長も多いので,ケースバイケースです。②から④までの要素や他の要素の考慮も必要となります。①から④だけで必ずしも考えつくせない点には注意が必要です。

 

その②から④についてですが,重要なところですので,次回詳しく触れていきます。また,その補足を次々回に触れたいと思います。

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