法律のいろは

離婚と財産分与(その⑭)

2013年6月20日 更新 

 離婚の際の財産分与の中心が,結婚してから作り上げた財産の清算が中心となることは,これまで何度も触れました。

 離婚の際の財産分与には,この他に慰謝料の穴埋めや離婚後の生活の援助という意味を持つこともあります。今回は,このうち,離婚後の生活の援助の意味を持つという点について,触れてみたいと思います。

 

 生活援助は,基本的に婚姻している際に法律上義務として夫婦の間で負っているものです。つまり,夫婦は同居する義務と生活費の分担義務を負っています。生活費の分担義務から,いわゆる婚姻費用の分担義務が発生します。

 離婚すると,こうした義務はなくなりますので,基本的には自分の生活は自分で作っていかないといけなくなります。

 離婚の際の大きな関心事として,離婚後の生活をどうやって営んでいくのかという点があろうかと思われます。公的な給付や未成年の子さんがいれば養育費,親族の援助など座様々な形が「可能性として」は考えられるところです。

 

 離婚後に新たに就職をする必要がある場合には,再就職までのお金は大きな問題です。離婚の際の慰謝料は離婚に至る原因が相手方に大きくあれば発生しますが,夫婦双方にそれなりに責任がある場合は発生しません。また,夫婦で作った財産の清算という意味の財産分与も,財産がなければ期待できなくなります。

 

 離婚後に,元夫婦の一方が生活費の負担なく仕事をして生活しているのに,他方が仕事も収入もなく暮らしていて経済的に厳しい状態になるのは,十分出てくる可能性のあることです。

 こうした状態で,せめて経済的に自立するまで公平の点から生活費の負担義務を離婚後も認めさせようという考えが,離婚後の生活の援助としての財産分与です。

 

 次回に続きます。

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