法律のいろは

離婚と親権(その⑭)子供の親権の判断要素4など

2013年6月30日 更新 

 離婚の際に,未成年の子どもの親権に争いがある場合の,判断要素についてこれまで3回触れてきました。今回はその補足などです。

 

 これまで触れてきた父母それぞれの事情や子どもの事情を総合考慮して,子どもの成長にとってどちらが親権者となるのがふさわしいのかという観点から考えていくことになります。

 

 その補足として,離婚に至る理由が夫婦一方の不貞(不倫・浮気)であった場合を考えていきたいと思います。離婚すること自体に争いはなくても,未成年の子どもの親権者について争いがある場合は十分ありうることです。

 この場合に,不貞(浮気・不倫)があった配偶者だから,親権者としてはふさわしくないという主張がなされることあります。

 不貞(不倫・浮気)があったということは慰謝料の点では考慮されます。しかし,こういった事情があったからといって,直ちに子どもの養育監護に問題が生じるわけではありません。不貞をした配偶者が再婚して児童虐待が生じるのではないかという話も聞くところではありますが,あくまでも推測や一般論にもとづく話です。ですから,不貞の事実が直接に親権者の適格性には影響しません。

 ただし,不貞をすることで,子どもの養育監護がないがしろにされたという事情があれば,話は変わってきます。この場合は,子どもの養育監護環境・状況が好ましくないという事情になりますので,親権を考えるうえでは影響してきます。

 

 親権を考えるうえでは,これまでの子どもの養育監護実績や現状とともに,子どもと親との情緒的な結びつき等の主観的な要素が重視されます。配偶者の一方に不貞があっても,情緒的な結びつきは崩れず子どもの養育監護に問題がなければ,親権の判断にあたってあまり重視されない点には注意すべきです。

 

 

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