法律のいろは

離婚と財産分与(その⑱)

2013年7月23日 更新 

  離婚の際の財産分与に関して久しぶりに触れたいと思います。

 以前,結婚中に買った家をどうするかということで,オーバーローンの場合の話(つまり,今の時点の家の価格よりも住宅ローンの残った金額の方が多い場合)の話について触れました。また,オーバーローンでないけれども,住宅ローンが残っている場合にどうするのかという問題があります。この問題は次回に触れたいと思います。

 

 今回は,今お話しした問題にも関わるそもそも家の価値をどう考えていくのかという点について触れていきます。マンションや一軒家にしても,路線価や固定資産税評価額や公示地価等いくつか指標となるものがあります。

 一番正確なものは,不動産鑑定士の方に評価してもらう方法です。メリットとしては,価格を専門家に判断してもらう正確性があります。デメリットとしては,費用が結構掛かるという点があります。

 

 先ほどの路線価は,例外もありますけど,相続税や贈与税の税額を考えるうえで,土地の価値を考える際に参考に使われるものです。固定資産評価額は,土地や家の所有者に固定資産税を課税する際に用いられる不動産の評価額のことです。ちなみに,固定資産税は毎年1月1日時点の土地や家の所有者の方にかけられます。

 公示地価は,専門家の基準となる場所への調査にもとづき,国土交通省が発表する基準となる場所での土地の価格のことです。基準となる場所は,標準地と呼ばれ,その地域の地価水準を代表する場所が選ばれています。

 こうしたこともあって,路線価や固定資産税評価額,公示価格は,マンションや一軒家等の不動産について今の価格を決める大きな手掛かりになります。このほか,こうした指標も参考に,不動産業者に簡易査定をしてもらうこともあります。不動産業者の行う簡易査定は無料で行うケースも多く,マンションや一軒家の価格の評価に使われている例も結構多いのではないかと思われます。

 

 先ほど3つ上げた指標でもばらつきはありますし,簡易査定も不動産業者によって差が出ることもあります。そうした場合もあることから,不動産鑑定士の方の鑑定によらないのであれば,どのような指標・方法によりマンションや一軒家の今の価格を評価するのか決める必要があります。

 多い例と考えられるのが,固定資産税評価額を使う・夫婦で合意した不動産業者に簡易査定を依頼すると夫婦の間で約束することです。

 

 こうしたマンションや一軒家の価格の評価をどうやって行うか決めること自体が,協議離婚だけでなく調停離婚等でも大きな問題となっていきます。

 

 次回に続きます。

 

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