法律のいろは

離婚と財産分与(その⑲)

2013年7月26日 更新 

 離婚の際の財産分与について,マンションや一軒家の価格をどう評価するのかという話を前回触れました。買った時の値段ではなく,今の価格が問題となるだけにどう評価するのかは大きく問題となります。どれだけ財産分与するのかとも関わりますから,夫婦で対立が出てくることもあります。

 

 前回は評価のやり方についてあげました。正確性の高い不動産鑑定士の方の鑑定から固定資産税評価額の話などの公示されているもの,不動産会社の簡易査定など色々とあります。離婚協議や調停の場では,あくまでコラム筆者の主観ですが,簡易査定や固定資産税評価額で行うことを合意する例が多い印象があります。

 簡易査定の場合には,不動産業者によって価格に違いが出ることはよくありますから,業者を合意した方が後々での対立はなくなります。夫婦それぞれで査定を頼み,中間額を評価額と合意するやり方もあるにはあります。

 このように,マンションや一軒家の評価ひとつとっても問題はあります。

 

 住宅ローンがある場合には,夫婦のうちどちらかが借主(主債務者)で他方が保証人となっている例は結構あるのではないかと思われます。離婚する際に,夫婦で亡くなるのに保証人でいるのは嫌だという話を伺うことはあります。

 あくまでも,住宅ローンを借りる契約も保証人となる契約も貸主(銀行・金融機関)とした契約であることに注意が必要です。貸主がオーケーしないかぎり,夫婦の話し合いだけで,保証人でなくなることはできません。

 とはいえ,今後一緒に生活するわけでもない・どうなるか分からないのに大きな負担を負いかねないのは嫌だという心配もあろうかと思われます。団体信用生命保険でカバーできる場合もありますが,あくまでも場面が限られてはいます。

 

 よくある話の付け方として,夫婦の一方を保証人から外すように金融機関と交渉するよう約束をさせるという内容を話し合いの結果に織り込んで決着をつけるという方法があります。ただし,実際の内容面は,誰が今後そのマンションや一軒家に住み続けるのかというところも関係します。かなり複雑な話になりますので,詳しくは次回以降に触れたいと思います。

 あくまでも,金融機関に保証人を外すよう交渉するだけである点には注意が必要です。夫婦の間で話し合っても金融機関には何の影響もないのです。

 

 次回,特にマンションについて話を続けたいと思います。

 

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