法律のいろは

婚約を破棄する場合に,問題が出てくることはあるのでしょうか(その①)?

2013年8月13日 更新 

 以前,「婚約って?」ということで,婚約とはどういった状態をいうのかを触れたことがあります。今回は,この話を大幅に補足したいと思います。

 よく,付き合っているのだけれども,別れた際に誠意が相手になかったので,相手に何か請求できないだろうか・結婚する話があったけれども破談になったが問題はないかという話を聞きます。こういった場合に,実際のところ何か問題があるのかについて,触れていきます。

 

 付き合っているといっても,色々な形があります。お互いの家を行き来している・宿泊も伴って生活している・同居している・その他等色々と考えられます。こういった場合全てに,婚約があったとか内縁の状態だっとか言えるわけではありません。

 内縁については,近いうちに詳しく触れます。婚約とは,以前も触れましたように将来結婚しようという男女の約束のことです。婚約することにより,将来結婚するよう誠実に行動する義務を婚約した男女双方が負うことも触れました。

 婚約を破棄することによって,問題が生じるには

 ①婚約があったと言える

 ②不当に破棄された

と言える必要があります。

 

 このうち①について,婚約とは,約束ではあるのだけれども,はっきり約束しないと婚約と言えないかというとそうではありません。あくまでも,婚約があったと評価できるかがポイントですので,そう評価できるやり取りがあったかどうかが問題になります。

 婚約指輪を取り交わすとか結納をしたからといって直ちに婚約ありとはなりませんが,婚約があったというだけの大きな根拠となる事実です。ちなみに,結納は,結婚が成立したことを前提とする贈与と考えられています。ですから,結婚した後には,結納金を払った男性は返還を求めることはできません。よく離婚が問題となる場合に,結納金を返してもらいたいという話を聞きますが,今話しましたように,返還は求められません。

 ここでいう結婚とは,結婚届を役所に提出する法律上の結婚の他にいわゆる事実婚の場合を含むと考えられています。事実婚については,内縁を一緒に近いうちに触れたいと思います。

 

 婚約の成立があると言えるためには,結納などの儀式的なものは不要です。ですから,将来結婚することを前提としたやり取りが男女の間であれば,婚約があったとは言える可能性はあります。一番の問題は,儀式や指輪など形に残らないやり取りの場合に,婚約がなかったと相手に言われると,どうやってそういったやり取りがあったかどうかを証明するかということです。メール等も内容等によっては根拠の一つとはなりえますので,どういった証拠があるのかは確認しておいた方がいいかもしれません。

 

 

 

 

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