法律のいろは

離婚と財産分与(その22)

2013年8月15日 更新 

 前回も,住宅ローンが残っているけれどもオーバーローンでないマンションや一軒家の財産分与について触れました。今回はその続きです。

 

 夫が住宅ローンの借主となっていて,妻が保証人,家には抵当権がついているという場合をもとに,前回は夫が家を財産分与でもらう場合の話をしました。

 前回の補足ですが,家を夫が取得することにして,実際は妻(妻が未成年の子どもの親権を取得した場合には子どもを含めて)家に住まわせることはできます。ただし,あくまで離婚の際に話し合いがつけばということになります。この場合に,妻が住むための権利を決める必要がありますが,有料の賃貸借・無料の使用貸借が考えられます。どうするのかは,これまた話し合いで決めることができますが,有料・無料どちらなのか,いつまで住むことができるのか・マンションであれば管理費などを誰が払うのか等決めておいた方がいいでしょう。曖昧なままだと,後でトラブルになる可能性があります。

 

 今回は,先ほどと同じ例で妻が家を財産分与でもらう場合について触れていきます。この場合,マンションあるいは一軒家の家は妻が財産分与で取得することになります。この場合に面倒なのは,住宅ローンがある点です。

 前回の例とは異なり,保証人である妻が家を所有することになります。夫は家を持たないのにローンの支払いをする義務があることになりますが,ローンの支払いを免れたいという話をするケースも多々あろうかと思われます。この場合に,債務者を変更する・ローンの支払いを妻が行う等の対応方法が考えられます。離婚をするという状況を考えると,ローンの支払いを妻がする場合には,それまでの夫の口座からの支払いから妻の口座からの支払いに変更する場合が多いのではないかと思われます。

 こうした場合(債務者の変更を含めて)には,金融機関と協議して了解を得ることが必要になります。

 もちろん,他の離婚の際のお金の問題などから,妻が家をもらう場合でも夫がこれまでどおり住宅ローンを払うという話のつけ方もありえます。ただし,あくまでも夫婦の間で話し合いがつく必要がありますので,当然に夫が住宅ローンを負担しないといけないわけではありません。

 家の登記名義をどうするか・マンションの場合に管理費などをどうするか等色々と細かい点について,話をつけておかないと後でトラブルを招きかねませんので,注意が必要です。

 

 次回補足をしたいと思います。

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