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婚約を破棄する場合に,問題が出てくることはあるのでしょうか(その④)?

2013年8月22日 更新 

 婚約の破棄に関して,不当な破棄であれば損害賠償の支払い義務が破棄した方に生じるという話をしました。その損害に含まれるものとして,結納にかかった費用が含まれることがあるという話をしました。

 

 この点について補足しておきます。結納金は以前触れましたように,結婚に至ったことを前提に贈与をするものです。ということは,結婚に至らない場合には返還を求められるのが原則です。問題は,婚約をしただけでなく内縁を認められるような場合は,結婚に至ったのと同じに考えて返還は求められないかという点です。

 たとえば,婚約をして結納金を払い,挙式までして半年ほど夫婦して生活していたのだけれども婚姻届は出していませんでした。そのうちに,男女お互いのすれ違いから女性から別れを切り出して,別れることになりました。この場合に,結納金の返還を払った方(通常は男性)は求められるでしょうか?

 

 内縁は,いずれ触れますがあくまでも同居などの事実を法律上評価したにすぎません。その内容は詳しくは近く触れる予定ですが,結婚と同じように考えて可能な限り結婚と同じように法律上扱うという考え方が広く取られています。こう考えていきますと,先ほどの例で6か月ほど夫婦として同居していた点を内縁とみると,内縁によって結婚と同じように言えるのだから,お金を返す前提は亡くなったということができます。つまり,贈与によってあげたのだから,返還は求められないという話ですね。返してもらえと言えないものであれば,損害とは言えないことになります。このような判断を示した裁判例は存在します。

 とはいえ,事実上の夫婦関係(内縁ということができるかもしれません)があったといえても,2か月程度の短いものでは結納金の返還を認めるべきとした古い裁判例もあるところです。

 

 こうしたところからは,あまりに短い期間ではたとえ内縁と言えても,結納の返還をしないといけないケースも出てきそうです。

 

 これとは別に,結納金を払った側(多くは男性)が浮気をしたとかDV・モラルハラスメントがひどい等の理由で,貰った側(多くは女性)が別れを告げるケースがあるでしょう。この場合に,払った側は結納金の返還を求められるでしょうか?この場合は,婚約の不当な破棄とは言えないことが多いと思われます。

 ただし,結納金は結婚(あるいは内縁の大半)といえてはじめて返す必要がなくなると考えると,内縁とはいえず単に婚約だけがある例では,貰った側はお金を返さないといけなくなりそうです。

 しかし,自ら破綻の責任を作っておきながら返還を求めるのは正義に反する等の理由から返還を認めない裁判例が極めて多いです。ですから,婚約さえ破談にすれば,結納金は戻ってくるなどとは考えない方がよさそうです。

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