法律のいろは

内縁の場合にも不倫・不貞の慰謝料請求の問題は出てくるのでしょうか?(内縁その①)

2013年8月21日 更新 

 結婚はしていないけれども,一緒に住んでいるような場合に,相手に浮気をされた場合に慰謝料を請求できるのかという話はよく聞くところです。今回から,内縁の話とともにこうした浮気が結婚している場合の不倫・不貞と同じように慰謝料請求できるのかについて,触れていきます。

 

 こうした場合問題となるのは

 ①内縁関係の場合に浮気に対する慰謝料請求がそもそも認められるのか

 ②①で認められるとすれば,認められるのはどういう場合か

 ということになります。②については,そもそも内縁とは,どういったことを言うのかという点が大きく問題となっていきます。

 

 今回は,①について触れていきます。まず,結論としては内縁関係の場合でも浮気があれば,不貞・不倫と同じように慰謝料請求ができることになります。内縁については,法律上特に定めは置かれていません。ただ,裁判例上内縁は婚姻に準じたものであるから,可能な限り婚姻と同じように保護するという考えが一般にとられています。

 内縁関係にある場合に浮気をされた場合にも,こうした考えから,結婚している場合の不倫・不貞と同じように慰謝料請求の話が生じています。つまり,浮気をした内縁の相手方と浮気の相手方は,浮気をされた側に対して,慰謝料の支払い義務が生じます。

 もっとも,慰謝料の支払い義務は浮気をしていれば絶対に生じるものでもありません。内縁関係にあることを知っていたか・知ることができた事情がないとこうした義務は生じません。こうした内縁とは知らなかったとか・知ることができなかったという事情が,浮気の相手方から反論されるケースは多い印象があります。

 内縁の場合には,婚姻届を提出しているわけではありません。また,内縁は法律上の評価ですので,生活実態はバラバラです。生活実態によっては,結婚している場合の不倫・不貞のようになかなか反論としては認められにくいこともあります。ただし,生活実態によっては,わからなくてもやむを得ないケースはありえます。

 

 内縁の場合に浮気をされたことを理由とした慰謝料請求については,結婚している場合に不倫・不貞をされた場合の慰謝料請求と問題や問題となる状況が異なる点もあります。この点は次回に触れたいと思います。

 

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