法律のいろは

協議離婚について(その⑤)

2013年9月6日 更新 

 前回は,離婚届を役所に提出し、受理されると、法律上離婚が成立するという効果が生じることをお話ししました。

 今回は、離婚届の不受理申出についてお話しをします。

 離婚届を一旦書いたものの、条件面での話が付かず、やはり協議は難しいと思って調停にしたい、とはいえ先に離婚届を相手に渡してしまったという場合が時々あります。このとき、そのままほうっておくと、相手が離婚届を出してしまう可能性が否定できません。先に述べたように、離婚届は役所に提出し、とくに形式面で問題がなければそのまま受け付けられてしまいます。そうなると、そのあと養育費・慰謝料など金銭面など条件の話をすることが難しくなることもあります。

 また、子どもの親権について離婚届には相手方と書いたが、やはり自分が取りたい、と思ったときは一旦協議で親権者が相手方と決まっている以上、親権者変更の調停・審判から始めなければならなくなります。

 そうならないようにするために、行っておくとよいのが、「離婚届の不受理申出」です。これは、一旦離婚届に署名・押印をしたものの、そのあと離婚をする意思がなくなったので、離婚届も受け付けないでほしいという書面を役所に出しておくという方法です。役場に不受理申出の用紙がありますので、必ず書面でしましょう。

 一旦この不受理申出をしておくと、その後仮に相手方が離婚届を提出したとしても、受け付けられないということで戻されます。

 もし、不受理申出を現住所の役場に提出したが、相手方が本籍地に離婚届を出したことで、戸籍上離婚との記載がされたときでも、職権で抹消することができます。

 不受理申出は、以前は6か月しか効力がありませんでしたが、法律の改正により現在は制限がなくなっています。ですので、一旦不受理の申し出をしておけば、申し出をした人が取り下げるか、死亡するまで不受理の期間が続きます。

 その後話がついて離婚をしようと思えば、申し出をした本人が取下げをして、離婚届を出せば受理されることになります。

 

 

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