法律のいろは

更新料とは何でしょうか?②(賃貸借で問題となることその②)

2013年9月17日 更新 

 前回,礼金と敷金,更新料がそれぞれどういったものかという点について触れていきました。今回は,更新料を定める賃貸借契約の有効性などについて触れていきます。

 

 結論から言えば,これまで何度か争われた例がありましたが,最高裁判所が平成23年に判断を下しています。

 争われた点がなんであったかという点について,まず触れておきます。これは,問題となる例が一般消費者がオーナー家主から家を借りる例が多いという点が関係します。そこで消費者である借主にとって支払うべき金銭を重くしており・正当な理由なく借主の得る利益が家主の得る利益に比べて釣り合いが取れていないから,法律上こんな特約は無効だという点が借主から主張されていたのです。実際に,そのように言えるのかどうかが争点でした。

 

 最高裁の判断では,更新料とは家賃の補充・前払い・賃貸借を続けることへの料金等色々な要素があると考えています。そのうえで,家を借りる契約(賃貸借契約)にあたって,家賃以外に更新料を支払わせるのは,消費者である借主に支払うべきお金の負担を重くしていると判断しています。

 そうはいっても,先ほど述べた更新料は合理的な存在理由のあるものだから,物凄く大きな金額である等特別な事情がない限り,借主の得る利益と家主の得る利益に大きな不釣り合いは発生しないとも判断しています。

 ただ,更新料について,存在すること・金額・いつ発生するか等がはっきりとした形で分かるように契約書に書いていて,家主・借主ともに更新料について分かった状況で合意していたと言える必要があるとしています。こうした事情を満たせば,原則として更新料の支払いが書かれている契約は有効だとという結論になります。

 

 そうなると,更新料が常に有効で,家主は有利でいられるかというと,そう簡単な話にはならないかと思われます。今の話では,更新料の存在や内容等がはっきりとわかる形で契約書に書いてある必要があるとされています。ですから,曖昧では有効にならない可能性が十分あります。また,家主と借主が更新料を分かった状態で合意している状況があるとのことですので,契約書の記載以外にしっかりと更新料の内容の説明をしている必要があると考えられます。説明が相当いい加減な場合にも,更新料が有効かが問題となってくるケースが考えられる点は注意すべきところかと思われます。

 

 次回に続きます。

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