法律のいろは

再婚と法律問題(その③)

2013年9月29日 更新 

 再婚と法律問題を考えるうえで,問題となるケースとして,不倫・不貞(浮気)をしている配偶者が,今結婚をしている相手方配偶者と離婚をして,不倫・不貞(浮気)の相手方と再婚したいと考えるケースがあります。

 この場合には,今結婚をしている相手方配偶者とは別居して,不倫・不貞(浮気)の相手方と同居していることもありうるところです。

 

 まず,こうした場合,離婚には大きなハードルが出てくる場合がある点には,注意が必要です。以前別のコラム(不倫・不貞(浮気)と慰謝料請求(その⑤)離婚との関係)でも述べたところです。

 今結婚をしている相手方配偶者が離婚をしてもいいと考えているのであれば,不倫・不貞の慰謝料請求(支払い)の話が出てくる可能性はあるものの,大きなハードルは出てきません。これは,離婚をすることには折り合いがついているからです。

 これに対して,相手方配偶者が離婚に反対であるという意思が強い場合には,大きなハードルが出てきます。

 それは,最高裁判所の裁判例上,夫婦関係が修復できなくなるという状況を作り出した側が離婚請求をする場合,基本的には離婚請求は認められないためです。不倫・不貞は,法律で定められた離婚原因ですけど,この場合,不倫・不貞をした側が離婚請求をしていることになります。これは信義に反することだからということで,そういった事情もないような場合を除いて,離婚請求を認めないという話です。

 信義に反するような点がないかどうかは

 ①別居期間の長さ

 ②経済的に独立していない子供がいるかどうか

 ③離婚によって,離婚を余儀なくされる方に精神的・経済的・社会的に見て過酷な状況にならないかどうか

 等の事情が考慮されます。

 これら①から③すべて満たさなければいけないかというとそうではありません。あくまでもケースバイケースで色々な事情が考慮されます。特に③は当てはまる要素が色々と考えられるところです。

 ちなみに,10年以上子供に養育費の送金を続けていた(子どもが2歳の時から高校生のとき)ケースで,②を満たしていないけれども,離婚を認めたケースがあります。

 

 とはいえ,不倫・不貞をした配偶者の側の離婚へのハードル(再婚へのハードル)は極めて重い点には変わりはありません。先ほどの裁判例にあるように,中々不倫・不貞をした側からの離婚請求は認められにくいからです。

 実際のところ,不倫・不貞をした証拠がある場合には,相手方配偶者からの財産分与や慰謝料などの条件で相手方配偶者にかなり有利な内容の合意であっても,再婚のための離婚には受け入れないといけないケースはでてくるものと考えられます。

 

 次回に続きます。

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