法律のいろは

離婚の際の財産分与について(その②)

2013年4月5日 更新 

 

 今日はよく晴れて少し暑いくらいですね。春がいつまでなのか分かりませんけど,季節は移ろっているようです。

 離婚の際の財産分与,マイナス(借金)の清算について,補足しつつ付け加えていきます。

 昨日書いた話では,マイナス(借金)部分も「原則」清算されるという話でした。これはその通りです。面倒なのは,マイナスしかない場合,簡単に言うと借金しかない場合には,財産分与を求める権利が発生しないと考えられている点です。ちなみに,これはマイナスの方が多い場合にもあてはまると考えられています。法律上の話ではなく,調停等で定着している考え方です。

 正直分かりにくいかと思いますけど,全体としてプラスになれば分与する財産があるから,財産分与を行うのだという話です。たとえば,借金100万円と預金200万円があれば分与は考えるけど,逆はないというものです。

 ならば,マイナス部分しかない場合にはどうなるのか?気になるところです。

 この場合は,夫婦の日常生活に必要な負担といえる借金は夫婦双方が離婚後も支払いの責任を負うということになります。面倒なのは,夫婦双方が全額貸主に支払いの責任を負うということです。夫婦(元夫婦)でいくらずつ負担するかの話し合いが重要になります。

 次に,住宅ローンでよくあるオーバーローンの場合はどうなるのか?ということです。ここでは,他に財産がなくて,全部合わせるとマイナスになる場合について触れていきます。

 車とローンでも当てはまるのですが,夫婦の共有財産を買うための負担は夫婦で半分ずつと考えられています。ですから,ローンの支払いも半分ずつということになります。ローンは夫名義だから関係ないとお考えの方もいるのかもしれませんね。たしかに,銀行とかは名義人に請求しますけど,あくまで負担は夫婦半分ずつなのです。簡単に言えば,銀行等借主との関係では名義人が借主だけど,この例でいうところの夫との関係では妻も支払いの責任を負うことになるのです。

 となると,この例では夫が支払った場合はともかく,払えなければ責任を負わなくて済むということには簡単にはなりません。普通銀行等は妻の方も連帯債務者か保証人ということにして,責任を負わせているからです。これがために,離婚の際の住宅ローンに関しては,保証人や連帯債務者をどうするのかという問題が出てくるのです。住宅ローンの話にはまだ問題があるので,詳しくはまた触れます。

 こういった事情があるから,裁判所での調停を含めてマイナス(借金)が多い・マイナス(借金)しかない場合には,話し合いで誰が・どれだけ負担するのか等決着をつけるよう求める傾向にあるように感じます。これはあくまで主観に過ぎませんけど。。。

 財産分与の話は非常に長いので,適宜続編を書いていきます。

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