法律のいろは

婚姻費用とは何でしょうか(その⑩~過去の未払い婚姻費用は請求できるのですか?~)

2013年7月15日 更新 

 別居後、婚姻費用(生活費)の支払がないまま、結局離婚が成立した、こんなとき、本来支払ってもらえたはずの婚姻費用(生活費)はどうなるのでしょうか?

 

 婚姻費用(生活費)は、婚姻関係が続いている限り支払義務がありますが、離婚が成立すると支払義務がなくなってしまいます。ただ、そうなると、別居から離婚に至るまでが長ければ長いほど、うけとれなくなる婚姻費用(生活費)の金額が大きくなります。また、その間に親族からの援助や借入で賄っている場合、その清算をしないと、一方的に権利者の負担が大きくなり、不公平な結果になります。

 

 そこで、離婚が成立したときは、その際の財産分与で、額や方法を決める時に考慮される「一切の事情」に、過去支払われるべきであった婚姻費用(生活費)も含んで考えています。そして、離婚の際に、清算をすることで、公平を図ろうとしているのです。

 

 本当であれば、離婚にいたるまでに、婚姻費用(生活費)の取り決めをしておくか、調停や審判で決め、支払がなければ差し押さえなどで対処するべきところです。そうはいっても、予め決めていなかったがゆえに、本来支払わなければならない者の負担が不当に軽くならないよう、離婚時の清算の際処理をすることにしているのです。

 

 清算の仕方ですが、未払いの婚姻費用(生活費)を、婚姻費用算定表を参考に計算します。その上で、財産分与を請求する者と支払義務を負う者の資産・収入などを考慮します。支払義務がある者が支払出来る余力があるならば、未払いの婚姻費用(生活費)の全額を加算することになります。もし全額は難しそうであれば、適宜調整をして決めていくことになります。

 

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