法律のいろは

離婚後の養育費(その⑱)

2013年8月31日 更新 

 離婚後の養育費について,以前離婚後に養育費をもらう側・払う側それぞれが再婚した場合に,養育費の金額に影響があるかどうか触れました。この他に,離婚後再婚はしていないけれども,別の女性や男性と同棲している場合(相手の子どもを含めて)があります。この場合,今払っている・貰っている養育費に影響はあるのでしょうか?

 

 結論としてはありません。別の女性や男性と同居していても,この方とは何かしら援助(扶養)しないといけない関係にはありませんから,養育費には影響ありません。このことは,同居している女性や男性に子どもがいてもかわりません。その子どもとの間にも扶養をする義務はないからです。こうした事情は,同居が法律上内縁と考えられる場合でも同じであると考えられます。

 少し復習を兼ねていうと,養育費をもらう方が再婚した場合には,再婚相手は子どもに対しては養子縁組をしない限り,扶養義務を負わないため,養育費に影響はありません。養育費を払う側が再婚した場合には,再婚相手と再婚相手との間に生まれた子供には扶養義務を負います。再婚相手の連れ子に対しては,基本的には扶養義務はないですが,こうしたことから,養育費に影響が生じてきます。

 ただし,養育費をもらう側が再婚とともに子どもを連れ子養子をした場合に,基本的には再婚相手が扶養すべきとして養育費の免除も十分ありうるのに比べれば,影響は小さいように思われます。

 

 これに対して,離婚後に再婚はしていないけど,元夫が別の女性と交際し,生まれた子供を認知した場合はどうなるのでしょうか?認知した場合には,元夫と子供との親子関係が法律上発生します。そのため,扶養義務を元夫は負うことになります。元夫が養育費の支払い義務を負っているのであれば,認知した子どもへの扶養義務は養育費の額に影響することになります。これに対して,認知をしていないのであれば,親子関係や扶養義務が生じることはありませんから,養育費の金額に影響しません。

 ちなみに,認知をした子どもと元の結婚で生まれた子供の養育費を考える場合は,子どもの人数に応じて養育費を考えることになろうかと思われます。たとえば,認知をした子どもがひとり・元の結婚で生まれた子供が一人でかつ二人とも14歳以下であれば,養育費算定表(子ども2人・0~14歳以下)を用いて養育費を考えることになるでしょう。

 

 次回に続きます。

 

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